古来文学(随筆)探究プロジェクト 2025年6月21日
「京都議定書」誕生の地である京都で15年続く「KYOTO地球環境の殿堂」、今年は高校生・大学生が参加する「未来会議」を開催中です。上廣環境日本学センターが企画協力する探究プロジェクトも始動しました。
吉川成美センター長がコーディネートする「古来文学(随筆)」探究プロジェクトでは、第1回目のフィールドワークが6月21日(土)京都学・歴彩館および京都府立植物園(ともに左京区)で開催されました。
当日は府内の高校生・大学生約30名が参加し、まずは2名の専門家による講義から始まりました。
京都学・歴彩館の若林正博さんは、『古今和歌集』『枕草子』『徒然草』に触れながら、1000年後を生きる私たちが、古来の人びとの自然観や思いをどのように受け止めるかについて語りました。
また、日本生態系協会の岩井大輔さんは、古典に登場する絶滅危惧種の植物を軸に、生態系サービス、生物多様性、ネイチャーポジティブといった地球環境をめぐる概念をわかりやすく解説しました。
その後創立100年を超える京都府立植物園に移動し、戸部園長の案内のもと、カキツバタ、フタバアオイ、オニバスなど、古典文学に登場する植物を実際に観察してまわりました。
講義と実際の植物を観察した後、参加者たちは「五・七・五」の俳句を悩みながらも楽しそうに創作し、初めてとは思えないほどの秀句をそれぞれ披露していました。自然との対話を通して、古来から続く日本人の感性が現代の私たちに大きな気づきをくれたようです。
次回のフィールドワークは8月2日開催予定で、今回の俳句に「七・七」を加え、和歌として完成させます。
本プロジェクトの成果は、9月20日の「未来会議」にて発表予定で、これまでの殿堂入り者とともに、京都から未来への提言を届けることになっています。
地球環境の殿堂未来会議 リンク https://www.kokusaimiraikaigi.com/