3月18日、19日の2日間にわたって開催された「第9回 サステナブル・ブランド国際会議 2025 東京・丸の内」のセッションに、吉川がファシリテーターとして登壇しました。
地方は都市部に比べて悲観的な未来を予想されがちですが、食とエネルギーの自給に挑戦する地域を紹介することで、そこから見えてくる地方の豊かな未来予想が、具体的にどのような姿であるかを議論する75分となりました。
渡部務さんに高畠を含めた置賜地方でのエネルギー自給の道のりを紹介してもらい、石崎貴紘さん、ネマニ蓮美さんからは、置賜とは全く異なる形ではありながら、地方と呼ばれるフィールドでこれまでにない循環をつくろうとする2人の若者のチャレンジについて紹介してもらいました。
それぞれに異なる立場からのそれぞれのアプローチが、どれもうまくいくようサポートすることも、当センターの役割のひとつであると考えています。
第9回 サステナブル・ブランド国際会議 2025 東京・丸の内
BS2-22 Day2 15:30-16:45
Breakouts 食とエネルギーの自給への挑戦と豊かな地方再生
https://sb-tokyo.com/2025/session/749/
登壇者情報
- 吉川成美(ファシリテーター)
- 総合地球環境学研究所(RINH)上廣環境日本学センター特任教授・センター長。県立広島大学大学院経営管理研究科教授。農業経済学博士。日本からアジア各国の「参加し合える農と食」「地域資源マネジメント」が専門。近年は「文化から環境を考える」フィールドワーク、ワークショップファシリテーションなどの環境教育プログラムをデザインを手掛ける。主な出版物に、『クライメート・チェンジ―新しい環境倫理の洞察と対話』(2018年)、『共生主義、経済成長なき時代をどう生きるか』(2017年)、および『中国の森林再生―社会主義と資本主義を超えて』(2016年)など。
- 石崎貴紘
- 株式会社フェイガー代表取締役。早稲田大学法学部卒業。PwCアドバイザリー事業再生部門にて幅広くコンサルティングプロジェクトを経験。専門テーマは脱炭素、農林水産業・食品関連、新規事業創出、海外進出支援など。YCP Solidianceではシンガポールオフィス代表パートナーを務め、コンサルティングとプリンシパル・インベストメントを行うオフィスの代表として、主に日本企業の海外進出や現地ビジネスの拡大に取り組んだ。2022年に株式会社フェイガーを設立後は、代表として日本及びアジアの脱炭素社会の推進と、農業の収益向上・持続可能性に取り組んでいる。
- ネマニ蓮美
- ファブリック株式会社サステナビリティストラテジスト。持続可能な食システムにおける豊富な経験を持つネマニは、大分県の農業部門で地域に根ざした活動を展開してきました。直売所の運営管理、地域の食のネットワーク構築、そしてコミュニティ活動のコーディネートに携わってきました。製品開発、事業管理、そして生産者と消費者の関係構築など、実践的な経験を積んできました。現在は、ファブリック株式会社のサステナビリティ・ストラテジストとして、戦略的デザインアプローチとサステナビリティフレームワークを組み合わせ、企業の持続可能なビジネス実践の開発を支援しています。また、日本スローフード協会と協力して、持続可能な食システムに関する教育プログラムの設計も手がけています。イノベーションと戦略的思考を通じて、環境から生産者、消費者まで、すべてのステークホルダーに利益をもたらし、地域社会を強化する再生可能な食システムの創造を目指しています。
- 渡部務
- 農家。一般社団法人置賜自給圏推進機構共同代表。1948年山形県高畠町生まれ。高校卒業後、農業に従事。1973年高畠町有機農業研究会設立に参画。 以来今日まで米、野菜、豆類の有機栽培を実践。1984年から旧高畠町農協、合併後の現山形おきたま農協理事。8期24年間理事職。2014年一般社団法人置賜自給圏推進機構設立に参画し、現在は共同代表。